釘本は肥前国佐賀の須古に居住した鐔工。代表工は弥左衛門といい鉄地に山水図を薄肉に鋤出し布目象嵌を加え、金家様式に造る。 本作は中国の春秋時代に存在した武人で、百歩離れた柳の葉を次々に射落す腕前からいわれた「百発百中」や、飛んでくる矢を何でも掴み取ってしまう白猿が弓を放つ準備をする武人を見ると慌てふためき柱に抱きつき鳴きわめいたということからいわれた「猿号擁柱」という故事成語が作られた弓の名手、養由基を表した図である。 馬は赤銅、馬に乗る養由基は銀で象嵌され、遠く離れた鳥を狙い澄ましている場面が見事に表現された鐔となっている。
図柄 | 養由基図 |
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時代 | 江戸 |
国 | 肥前 |
材質 | 鉄 |
縦 | 8.1cm |
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横 | 7.9cm |
重ね | 0.7cm |
売約済